カメは老化しない

「鶴は千年、亀は万年」という言葉があるように、日本でも長寿の象徴として
縁起の良いものとされている。

また、亀の出てくる伝説といえば浦島太郎が有名である。

鶴と亀は寿命が長い代表で、めでたいものとされていることから、縁起の良い
賀寿などの際に使われる。

実際の寿命は、鶴は野生のタンチョウで20~30年、亀はゾウガメで100~200年と
いわれている。

カメにおいては『長寿なだけでなく、老化もほとんどしていない』という驚くべき真実が、近年の研究で明らかになってきました。

カメは「ほとんど老化しない」特徴をもち、それは人間にも応用できるかもしれない。

死ぬ原因は3つある。

けがと病気、そして老衰だ。

人類は時代と共にけがと病気はうまくかいくぐれているが、加齢による身体機能の
緩やかな衰えである老化は必然的に訪れる。ところが、一部の生き物は
ほかの種よりも老化が進みづらい体をもっているようだ。

爬虫類の中には老化が遅く、人間を凌ぐ長寿をまっとうするものがいるが
その長さが我々の想像を上回っていることが判明した。

カメの長寿から老化のメカニズムが判明するかもしれない。

カメは老化のスピードが非常に遅く、年をとっても体が全く老化しない
「無視できる老化」であると結論付けている。

これは、カメが不死身であるということではなく、死ぬ可能性が年齢に関係しないと
いうことである。

カメの基本的な身体の構造は、他の四肢動物と似通っていますが、一つだけ大きく逸脱した構造があります。それが、『甲羅』です。

全身が甲羅に覆われ、前方から顔、後方から尾を出している動物はカメだけです。あの甲羅は、一体どのように出来ているのでしょうか?

無駄なエネルギーを使わない仕組みがカメの長寿や老化防止の原因

良い環境にいるカメでは老化がゆるやかになったり、みられなかったりする場合があることを明らかにしました。

ほとんどの動物では、子を産める年齢になると、成長のために使っていたエネルギーを、子を産み育てるために使うようになり、成長が止まり、傷ついた細胞が修復されなくなっていきます。

すなわち、老化が始まります。

しかし、カメは子を産める年齢を過ぎても成長が止まりません。

いくつになっても細胞の修復機能が無くならない、つまり老化しないのではないか
ということです。

甲羅の真ん中には脊椎骨が通っており、甲羅も歴とした身体の一部なのです。

甲羅の形は、陸棲種だとドーム状になっている種が多く、海棲種は水の抵抗を減らすため平らな形になっています。

つまり甲羅はほぼ骨であるため、カルシウムから出来ています。

カルシウムの吸収にはビタミンD3が必要ですが、ビタミンD3の生成には紫外線が必要です。

陸棲種、水棲種共にほとんどのカメは冬眠をします。

カメは変温動物であるため、体温が外気温の影響を受けます。

つまり冬場は体温が低くなるため、体温を維持して、代謝を促進することも難しい状況です。よって、無駄なエネルギーを使わないように冬眠するのです。

実はこのような『無駄なエネルギーを使わない仕組み』がカメの長寿や老化防止の原因になっている可能性があります。

全ての種を平均すると、カメの平均寿命は約100歳と言われています。

これは、脊椎動物の中では最も長寿の記録です。

カメは老化しないので死なないのかというと、そういうわけではないようです。

病気やけがを永遠に避けることは難しいからです。

それにしても、歳をとらないというのは、うらやましい話に思えますね。

人間にとって、不老不死は永遠のテーマだと思っていました。

しかし、今回の研究成果は、科学の進歩によっていつか実現するかもしれないと
思わせてくれるものです。

不老不死によって幸せになれるのかは別ですが・・。

長寿であることから、中国では縁起の良い動物として扱われています。

まずは、人間の年齢別死亡率について、このような調査結果が出ています。

アメリカ社会保障局の調査によると、アメリカに住む50歳の男性が翌年に死亡する確率は約0.5%ですが、80歳になると約6.0%に、100歳になると約35%に増加します。

つまり『人間もカメと同じくらい長寿だが、加齢と共に死亡率も上昇していく』ということです。

加齢と共に死亡率が高くなるということは、加齢に伴い免疫系や骨が衰えていき、老化していることの裏付けでもあるため、ごく自然な調査結果です。

変温動物の中でもなぜ特にカメだけが際立って長寿なのでしょうか?

一方でカメについての加齢と死亡率の関係の研究は、南デンマーク大学のリタ・デ・シルバ氏によって行われました。彼は、52種のカメについて調査を行いました。

その結果、調査した種のうちギリシャリクガメやアルダブラゾウガメを含む約75%もの種において、加齢による死亡率の上昇はほぼ見られませんでした。

5歳のカメであっても、50歳のカメであっても、死亡率は等しかったのです。

つまり、『カメは、加齢と共に肉体が老化していくわけではない』ということです。

一つは、カメは変温動物であるためと考えられています。

変温動物は代謝が低いことが知られます。

特に冬場だと外気温に合わせて体温も低くなりますが、そうすると代謝も低くなります。

そのため、無駄なエネルギーを使わないよう、冬眠をして無駄なエネルギー消費を避けているのです。

実際に、変温動物と恒温動物の老化速度を比較した研究があります。

全ての変温動物の老化速度が低いわけではありませんでしたが、カメにおいては特に老化速度が遅いという結果になっています。

では、数ある変温動物の中でも、なぜ特にカメだけが際立って長寿なのでしょうか?

老化防止のためには『細胞が他のことにエネルギーを使わず、老化防止のためにエネルギーを使える環境を作ること』、長寿のためには『捕食者など、外敵要因による死亡率を低くすること』が重要なようです。

いたずらに長寿を目指すより、経験豊かな人生を楽しむ方がずっと大切なことなのかもしれません。

参考 URL

子供時代の「イジメっ子」は大人になると暴力事件を起こしやすい

https://www.axion.zone/422311229078969065/

https://www.nonhoi.jp/blog/p8553/

ナゾロジーより引用